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ナバット

by Satomi

緑の少ない、茶色が目立つ大地、アスファルト舗装されていないわだちのある道を

おばあさんが大きめの牛乳瓶を二つ抱えながら、息を上げながらゆっくりと歩んでるシーンで始まった

広島イラン 愛と平和の映画祭で観た「ナバット」

〈ネタバレ〉

村から離れた所に住む老夫婦。一人息子は前の戦争で亡くなり、ご主人は病床に臥している。

そして新たな戦争が始まる。

そんなある日、いつも通り村へ牛乳を売りに出かけたナバット(おばあさん)

そこで村人全員がいなくなってることを知る。

軍の命令で村人全員が避難。村から離れた所に住むナバット夫婦には連絡が届かなかった。

自分が死んだ後の一人残ってしまうナバットを心配するご主人と

村人がいなくなってしまった事をご主人にひた隠すナバット

お互いがお互いを心配し合う。

そんなある日、ご主人が亡くなる。

誰もいない土地で一人、乳牛に台車を引かせ雨の中ご主人を埋葬する。

墓石を立てようとするけれど、おばあさんの力では・・・

人はここまで強くならなくてはいけないのか。

それからは毎日空っぽの村へでかけてはランプに火を灯し

夜、ランプが灯ってる村を眺めるナバット。

人が住んでるように見せて村を戦場にしないようにしたのでしょうが

私にはナバットが空虚になった心を温めるために灯したように思えました。

そんなある日、唯一可愛がり心を交わすことが出来てた乳牛すら姿を消す。

茶色の大地にナバットたったひとり。

見るは、亡くなった息子が元気な姿で戻って来る夢。

在りし日のご主人の面影。

そして愛した人達を胸に

雪舞う庭先で息を引き取ってるナバット。

スマートフォンを持ち歩き

飛行機で離れた場所まで短時間で行き

今では宇宙空間で実験的に滞在するまでなった現代

教養のある知的動物だと思ってる我々人間だけど

戦争って人間が野生動物だという証しなのでは。


Satomi
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